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インターンシップ最終日

2011年1月17日、Paific Instituteでのインターンシップ最後の日だった。
スタートしたのが去年の1月18日だったから、ちょうど1年間ということになる。


その日は、Duty Dayの当番に当たっていて、自分のクライアントであるか否かに
関係なく、フロアを歩き回り、すべてのレジデントを必要に応じてサポートするという
日だった。午後3時までの役割だ。


朝9時半から始まるスタンドアップミーティングに参加して…、
それから、僕はLGCビルディングに向かった。


いつもと同じように、各フロアを訪れ、レジデントやCaregiverと会話を交わして、
今日が最後の日なんだと、お別れの言葉を添えた。


認知症を抱えているレジデントは、僕のことをすぐ忘れてしまうのかもしれないけど、
それでも、“You were very kind to me. I will miss you”と悲しんでくれた。


彼らは、僕のことを覚えていることが出来ない。
だからこそ、僕は彼ら一人ひとりのことを覚えておいてあげないといけない。
そんなことを想いながら、一人ひとりを訪ねた。


午前中、現在は2人だけになってしまった、
僕のクライアントのHAさんと、LJさんの部屋も回った。


彼らには、今日が最後の日であることを確認のために伝えて、
帰る前にもう一度、訪れるからねと伝えた。


Terminationの準備は、およそ2か月前からしていた。
だから、最後の日だからと言って、別に何かを特別なことをするわけでもない。
あっと言う間に、午後2時半になってしまった。


僕のクライアントで昨年の12月に亡くなったEMさんのルームメート、
Cさんの部屋を尋ねた。Cさんは、身寄りが無いのだけど、心身ともに
とても健康で、クリアで、いつも僕に素晴らしいアドバイスをくれた人だ。
たくさんお世話になった。


彼女はいつものように、部屋でクロスワードパズルをしていた。
僕を見ると、「ヘイ、ボーイ、ついに最後の日ね」と笑った。


部屋に入る前は何も感じていなかったのだけど、
その部屋に入って、亡くなったEMさんの空いたままになっている
ベッドに腰掛けて、Cさんの笑顔を見た瞬間に、涙があふれてきた。


Cさんは、静かに立ちあがると、僕を黙ってハグしてくれた。


「いつもあなたの幸せを祈っているわ」


彼女はそう言った。


「僕も…」


僕は辛うじてそう言って、涙を拭いて、彼女の部屋を出た。


僕は同じフロアに住む、僕のクライアントのLJさんの部屋に行った。
94歳のアフリカンアメリカンのLJさんは、妻で93歳のAJさんと
部屋のソファに座っていた。


彼は僕を見かけると、“Hey kid, what's up?”と笑った。
僕はやっぱり涙があふれてきた。


彼は、“I love you, kid”と言って、ハグしてくれた。


一階に住む、もう一人のクライアント、HAさんの部屋も訪れた。
あいにく、彼女はベッドの上で、お昼寝をしていた。


彼女は、認知症が進行するに従って日本語しか話せなくなってしまった
日系アメリカ人だ。


僕は、そっと彼女の手に触れた。彼女は、目を開けると、
僕にうっすら微笑んだ。


僕は、最後のお別れの挨拶に来ました、と伝えた。


彼女は、静かに頷いた。そして…、再び目を閉じた。
僕は、そのまま部屋を後にした。


僕は、地下一階のインターンルームに戻り、ネームタグを外して、
鍵を自分のロッカーに置いた。


これで、本当に最後だ。


僕は荷物を持って1階に行き、玄関を出て、建物を振り帰った。
この場所で、本当にたくさんのことを学ばせて頂いた。
最高のプラクティカムサイト、最高の1年間だった。


たくさんの出会いと学びと思い出を、どうもありがとう。
Dsc02044_5

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コメント

平成15年10月、入間市で受講した研修の中にコーチングの科目が1日ありました。
上司としての管理能力を高めるために設けられていた科目でしたが、とても刺激的で、様々な気付きをいただきました。
その時の講師がTJさんでした。
その節はありがとうございました。
それ以来、コーチングやカウンセリングに強い関心を持つようになり、昨年、産業カウンセリング講座を受講するまでになりました。
そのきっかけをいただいたことを心から感謝しています。
このブログは1ヶ月程前に見つけたのですが、ここでも様々な気付き、そして学ぶ機会をいただいています。
本当にありがとうございます。
感謝の気持ちをお伝えしたくてコメントさせていただきました。
また、いつか、どこかで、お会いできたらと勝手に願っています。
今後のご活躍を祈念しています。

投稿: say-g | 2011年1月24日 (月) 22時37分

say-gさん、素敵なメッセージをどうもありがとうございます。とても嬉しいです。

平成15年10月の入間市での研修ですね。懐かしいです。say-gさん、たいへんご無沙汰しています 笑。

あの時のコーチングトレーニングをきっかけにして、ご自身でその道をいろいろ探求されているのですね。そう言うお話を伺うと、元気が出ますし、とても刺激になります。

私自身も、あれから、更に自分を深め、コーチ、カウンセラー、あるいはコンサルタントとして、より納得のいく自分自身を手に入れるためにアメリカに渡りました。

3年前の話です。

カウンセリングサイコロジーを学べば学ぶほど、人の心とは奥が深くで不可解で、自分自身のことだって良くわからないのだなというのが正直なところです。

だからこそ、プロフェッショナルとして人とと接する時には、もっともっと謙虚にならないといけないのだなと感じ、自分に言い聞かせているところです。

ええ、必ず、いつかお目にかかりましょう!!!その時は、ぜひsay-gさんのいろいろお話も伺わせてくださいね。楽しみにしています。

投稿: TJ | 2011年1月25日 (火) 04時55分

TJさん

ちょこちょこブログを拝見させていただいています。
その中で15年ほどのOL生活での自分を見つめ直し、今米国でのカウンセリングのMAプログラムを目指すようになりました。ありがとうございます。
私は、実は自分が機能不全の家庭に育ち、常に疎外感と緊張感がぬぐえない生きづらさを感じてきたのですが、兄弟がさらに重症の精神的病に苦しんでいることもあり、TJさんのブログを見つけたのも治療法を検索しているうちにでした。(「瞑想ルーム」で検索したらでました)
そのうち、自分ももう一度がんばってみたくなりました。
第一志望はCIISなのですが、英語がなかなか習得できず、また心理学のバックグラウンドが少ないので少し難しいのかなと思っていますが・・・。がんばるしかない!!
今日勉強の合間に、TJさんとサークルの皆さんのなんとも素敵な笑顔がみられ、とてもさわやかな気持ちにさせてくれました。
コーチングも大変興味がありトニーロビンズとかのサイトを見ていますがなかなか聞き取れないです。。。CIISの情報もいろいろ聞きたいです!メルアドを送りましたので、よろしければお返事くださいませんか(^^)

投稿: yuri | 2011年1月26日 (水) 23時05分

yuriさん、コメントをどうもありがとうございます。

難しい環境の中で、周囲と自分を大切にしながら真摯に生きてこられている様子が伝わってきました。僕の拙いブログが、yuriさんの人生を更に前に進める後押しになったのなら、とても嬉しいです。yuriさんのチャレンジを心から応援しています!!!

実はいま、僕はとてもバタバタしていて、新しい人間関係をつくり、やり取りをする余裕が無い状態です。大変申し訳ありませんが、CIISについては、留学アドバイザーがいるので、そちらを遠して、例えば、現役の日本人学生から直接情報を仕入れるようにしてみてください。僕の知る限り、CIISには修士課程に6名、博士課程に3名の日本人がいるはずです。

また、もしかしたら、英語でのメールは負担かもしれませんが、でも、いずれ留学するのであれば、いつかは始めないといけません。誰もが通り抜ける道です。

繰り返しますが、yuriさんの新しいチャレンジを心から応援しています!

投稿: TJ | 2011年2月 1日 (火) 05時06分

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